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Tech Reis

CASE 02

代表にしか作れなかった見積をシステム化。シール印刷会社の見積作成アプリ開発事例

代表にしか作れなかった見積を、誰でも作れる仕組みに

Published 2026-05-05

「もし自分が病気で倒れたら、この会社は立ち行かなくなるのではないか」——そんな不安を長く抱えてこられたのが、本事例のご相談者である、特殊な素材を扱うシール印刷会社の代表でした。見積書の作成は、シールの長さや素材、加工内容、刻々と変動する単価感を踏まえる必要があり、長年代表にしかできない業務になっていました。Tech Reis は 1 週間以内にデモを作成し、約 1 ヶ月で納品まで進めました。

相談前の課題

50代の代表者が、計算メモやシール素材ロールに囲まれた机で頭を抱え、見積書作成に疲弊している様子
従来の見積作成 — 代表者様お一人が、複雑な計算式を頭の中で繰り返しながらご対応されていました。

ご相談者は、特殊な素材を使ったシール加工・印刷を手がけられているシール印刷会社の代表です。

会社の中核業務である見積書の作成には、複雑な判断が必要でした。

  • シールの長さや素材
  • 加工内容ごとに変わる手間と費用
  • 仕入れの状況によって日々変動する単価感

これらを総合して見積金額を導く工程は、長年の経験にもとづいた暗黙知の塊でした。結果として、見積を作成できるのは代表お一人という状態が続いていました。

経営者として、代表は「自分が病気や事故で倒れた時、この会社が回らなくなるのではないか」というご不安を、長く抱えていらっしゃいました。スタッフの方々も、見積に関しては代表にお伺いを立てるしかなく、業務の停止リスクと意思決定の集中という二つの問題が、慢性的に存在していたのです。

そのため、代表ご自身だけでなく、スタッフでも一定の品質で見積書を作成できる仕組みを、長らく模索されていました。

Tech Reis へのご相談

ご相談時点で、要件が完全に固まっていたわけではありませんでした。「こういうものが作りたい」「こうあるべきだ」というご希望はおありでしたが、それを設計図として具体的に書き起こせるほど明確に整理されていたわけではありません。

そこで Tech Reis では、まず代表にお時間をいただき、業務の流れと、見積判断の考え方を丁寧にヒアリングしました。どの場面でどの数字を見て、何を根拠に判断されているのか。「言葉になりにくい部分」を、できるだけ拾い上げるよう心がけました。

そのうえで、いきなり本格開発に入るのではなく、短期間でイメージを確認できるデモを作る方針でご合意いただきました。

1 週間以内のデモ作成

打ち合わせから 1 週間以内に、デモアプリを代表へお見せしました。代表に実際に触っていただきながら、画面の流れと計算ロジックの方向性を確認していただいたのです。

代表からは、その場で「まさにこれが欲しかった」というご感想を頂戴し、デモを起点として、すぐに正式なご契約と着手金の入金へとお進みいただきました。契約開始の時点で、すでに動くものが手元にある状態だったため、開発は最初の一歩から段違いに加速しました。

代表者が真剣な表情でノートPCの見積自動化アプリ画面を見つめている様子
無料デモアプリをお見せした瞬間 — 「まさにこれが欲しかった」とのお言葉を頂戴し、即ご契約・着手金へとお進みいただきました。

「動くものを早く見せる」ことは、Tech Reis が大切にしている進め方の一つです。仕様書だけでは見えない違和感、もしくは「やっぱりこうしたい」という気付きは、実際に触れた瞬間に出てきます。本案件でも、初日から触れる状態を作れたことが、その後の進行を支えました。

開発プロセス

本実装は約 1 ヶ月で完了しました。短期間ではありますが、決して「一気に作りきって終わり」ではありません。

開発期間中は、1 週間ごとに代表へ進捗をお見せし、その時点での実装内容を実際にお触りいただきながら、フィードバックを反映する作業を 2〜3 回繰り返しました。

このサイクルがあったからこそ、お客様の頭の中のイメージと、実装されているものとの間にあるズレが、早期に見つかり、早期に解消できました。「思っていたものと違う」が積み上がるリスクを、構造的に下げる進め方です。

工夫したポイント

本案件で特に重視したのは、見積作成に必要な計算式を、システム上でひとつひとつご確認いただける形に実装したことです。

  • 材料、加工条件、単価の考え方をブラックボックスにしない
  • 入力した値が、どの式を経由して見積金額に反映されているのかが見える
  • 必要に応じて、人が単価を上書きしたり、例外を反映したりできる

この設計により、代表の頭の中にあった暗黙知の一部を、スタッフでも追える形に近づけることができました。完全に自動化するのではなく、人の確認・判断を残しつつ、繰り返し作業や数値の参照を仕組みに肩代わりさせる、という考え方です。

計算過程の画面 — P-1 必要メーター数 / P-2 大型品判定 / P-3 予備メーター数 / P-4 合計必要メーター / P-5 購入メーター / P-6 紙代 が、計算式・代入値・結果まで段階的に表示されている
計算過程の可視化 — 代入値・計算式・結果をシステム上でひとつずつご確認いただける形に実装いたしました。

AI を使った開発の価値

本案件では、AI を活用しながら実装を進めました。これにより得られた価値は、主に「速度」と「擦り合わせのきめ細かさ」の二つです。

  • 試作・修正・確認の速度が、従来よりも上がった
  • 動くものを早く見せ、頭の中とのズレを早期に発見できた
  • お客様が要件を完全に言語化できていなくても、対話と試作の中で、必要なものを少しずつ形にできた

これまでは、こうした「短いサイクルでの擦り合わせ」を現実的なコストで回すことが難しく、結果として要件定義に多くの時間を取られがちでした。AI を上手に組み合わせることで、その制約は確実に緩んでいます。

この事例から分かること

属人化した専門業務は、最初から完璧な要件定義を求めるのではなく、早く動くものを作って、お客様と一緒に触りながら少しずつ形にしていくことで、システムとして再現可能な形に近づけられます。

なお、本システムは見積作成における計算と確認を支援するためのものであり、価格判断のすべてを完全自動で代替するものではありません。最終的な金額の判断や例外対応については、引き続き人が責任を持つ設計を採用しています。

そして、こうした進め方は、すべての案件で必ず 1 ヶ月で完成するというものではありません。業務の複雑さやご希望によって、必要な期間は変わります。共通しているのは、早く動くものを起点に、お客様と一緒に磨いていく、という姿勢のほうです。

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